常盤木落葉 ときわぎらくよう 2019年4月24日
毎朝散歩する近所の都立公園、初夏のこの時期まるで秋のように芝生広場が落ち葉で埋まる。犯人は常緑樹のクスノキ。常緑樹は落葉しないと思いがちだけれど、木を見あげると真っ赤に紅葉した葉が枝先に花のように密集している。この真っ赤に紅葉した葉が実は冬を越してきた古い葉。古い葉が赤く色づく前にひそかに新葉を芽吹かせ育み、新旧交代のタイミングを狙う。そして桜も終わり、ここと 決めたらそれはそれは潔く一気に落葉する。
それなのにクスノキはまるで何もなかった顔をして、青々とした新葉でたっぷりと豊かな常緑樹の姿に立ち返る。これを常盤木落葉という。5月の季語だ。すごいなクスノキって。
池田 2019/4/24