栃木県内の電車で、座席に寝転んで加熱式タバコ喫煙の男が、それを注意した高校生男子に腹を立て、殴る蹴るの暴行を働いた上、降りた駅のホームで土下座まで強要したとニュースが取り上げていた。男は喧嘩を売られたから殴ったと自分勝手な言い分を主張したようで、あまりの身勝手さに驚愕する。驚きなのは一緒にいた三人の仲間が止めに入ったが、常軌を逸した暴力を制することができなかったとあったなかで、他の乗客は止めに入らなかったとあった。その男への怒りと、他の乗客は何をしていたんだという怒りが湧く。しかし同時にもしその場に居合わせたとしたら自分に一体何ができたのか。他の乗客たちは何をしていたんだと言われない行動とは何だったのか。重症の高校生、助けられなかった仲間三人、居合わせて何もできなかった乗客たち、この人たちがこれから抱えていくであろう心の痛みが自分にも重なる。